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抵当権抹消登記の失念


 お客様の不動産に関して時々見受けられるのが、債務は完済されているのに、抵当権が設定されたままになっている登記事項証明書です。

例)

確かに完済はしているけど・・・

 

確かに債務は完済していますので、債務はゼロと言えばそうなのですが、もし、完済記録を紛失したり、元の債権者が倒産、貸金業の営業譲渡を行った場合に、返済証明が困難になる場合があります(裁判所の判決が必要になる場合もあります)。

 

債務者本人は、「借りたものは返している」という事実を把握していても、証明がない状態に陥るという事です。また、抵当権設定登記をそのままにしておくと、売却や賃貸する場合に支障が出ます。

 

よって、債務を完済した際には、必ず完済と同時に債権者から抵当権設定の抹消書類を受け取り、抵当権の抹消手続きを行うことをお勧めいたします。


登記原因証明情報(解除証書・弁済証書など)

登記済証(または登記識別情報)

代理権限証明情報(委任状など)

資格証明情報(代表者事項証明書など) 

不動産1個につき金1,000円

司法書士が代理人となる場合は別途司法書士の諸費用がかかります


 いかがでしょうか。完済しているから「大丈夫」、債権者の担当者が「良い人」だから、後日連絡すれば抹消書類を送ってくれるだろうと思っていませんか?先方の担当者が本当に良い人でしたら、先方から抹消書類をお渡ししますと言うはずです。

 

 また稀に自分の知らない間に抵当権(仮)登記が設定されているという方もいらっしゃいます(本当は共同申請なので、設定に必要な書類は債権者に手渡している筈なのですが認識がなかった等)。

 

 登記も自分自身の身体と一緒で、早いうちに正常なかたちに戻しておかなくては、後々、処理するのに多額な費用と時間を費やすことになります。お心あたりのある方は、一度、ご自身の不動産の登記事項証明書をご確認されてはいかがでしょうか。


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