法務省調査 相続登記進まず


 法務省は6日、土地の所有権の移転手続きの相続登記に関する初の実態調査を行い(全国10地区を対象)、調査結果を公表しました。

 

 全国10万筆の土地で、最後の登記から50年以上が経過し、所有者不明になっている可能性がある土地の割合は、大都市が6.6%、中小都市・中山間地域では26.6%となっており、特に中小都市・中山間地域の用途別では、宅地が10.5%、田・畑が23.4%、山林が32.4%という結果でした。

 

 結果を見ますと、都市部に比べて、地方で登記の変更がない土地が多いようです。このような土地は、所有者がすでに死亡し、誰も相続登記をしないまま放置されている可能性が高いと見られています。

 地方の土地は、土地の価値が低く、相続人も大都市圏など遠方に住まわれているため相続登記されない場合が多いのかもしれません。

 

 しかし、相続登記をしないで放っておきますと、当事者に所在不明の方などがいる場合、すぐに登記を含めた相続の手続をすることができず、相続分を確定することが困難となります。さらに、相続が2回以上重なると,誰が相続人となるのか,その調査だけで相当の時間が掛かり,相続登記の手続費用や手数料も高額となってしまいます。相続の手続に時間が掛かると、相続した不動産を売りたいと思ったときに、すぐに売ることができなくなるなど,思わぬ不利益を受けることがあります。

※参考:「遺産分割による相続の登記」

 

 政府は調査結果を受け、相続登記を促進する具体策を検討し、2日に公表した経済財政運営の基本方針の素案では相続登記がされていない土地の解消に向け、必要な法整備を進めることを盛り込んでいます。

 

 5月には相続手続きの簡素化のため、被相続人と相続人全員の戸籍情報が記載された新たな証明書の発行を開始し、一度証明書を提出すれば証明書1通で手続きができるようにしております。


不動産登記簿における相続登記未了土地調査について

不動産登記簿における相続登記未了土地調査について

出典:法務省ホームページ


主な地目別に見た場合の経過年数の状況

主な地目別に見た場合の経過年数の状況

出典:法務省ホームページ


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